クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


「なーに、そんな俺のほう見て」


ネクタイをクイッとゆるめながら、笑顔でこっちに迫ってくる。


ちょっとずつ後ろに下がって、うまく逃げようとしたんだけど。


「わっ......きゃ」

膝ひ ざ の裏にベッドの角が触れて、そのままコテンと座り込んでしまった。


「柑菜からベッドに誘ってくれるんだ?」

「やっ、これは偶然で......!」


深影くんまでベッドに乗り込んできて、グイグイ迫ってくる。


ベッドに片手をついて、なんとか身体を引いても逃がしてもらえない。


「ってかさ、こんな時間まで何してた?」

「あ、宇賀くんと図書室に残って勉強してたの」


「へぇ......宇賀くんね」


深影くんの笑顔がなんかひきつってる。

というか、怒ってる?


「俺のこと妬かせたくてやってんだ?」

「え、え......?」


なんのことかさっぱりわからないのに、深影くんはさらにとんでもないことを言い出す。

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