クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。


「そうだよ、これはたぶん夢!」


だって、昨日のことがほんとだったら、わたしがここに帰ってきた説明がつかないし。

それに、まだ身体にだるさが残っていて、熱を測ってみると三十七度後半だった。


これからもっと上がる可能性もあるし、今日は授業休もうかな。


「ゆっくり休んで、しっかり寝よう」


唇にずっとやわらかい感触が残ったまま、何度こすっても全然消えない。


まるで、あのキスは夢じゃないって、証明されてるみたいに――。


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