宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
凶暴で、目の前の者には見境なく襲い掛かる、知能の低い獣、ワイバーン。

そのワイバーンさえも、本能的にメグの力量は感じ取ったようだった。

咆哮を上げつつもメグを酷く警戒し、なかなか攻撃を仕掛けようとしない。

「どうしたの?それでも竜種の端くれ?」

ニヤリと。

狡猾な魔女としての笑みを浮かべ、メグがワイバーンににじり寄る。

何と、その接近により後退するのは、ワイバーンの方だった。

亜種とはいえ、竜をも圧倒するほどの威圧感。

やっぱりメグは凄い。

「来ないなら…いいのね?こっちから行っても」

メグの右手がユラリと上がる。

その掌が、ワイバーンへと照準を定めた。

「どうするの?来るの?来ないの?」

最後通牒のように。

メグが呟く。

「はっきりしなさいよ…さぁっ!!」

苛立ったようなメグの叫び声!

次の瞬間!

< 16 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop