宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
翌日。

筋肉痛も何とか動ける程度にまで回復し、俺とメグは曾祖父さんの家に向かう。

ちなみにメグの肋骨は完全に回復したようだ。

こういう時はメグの『再生』の魔術が少し羨ましくもある。

…さて、曾祖父さんの家は同じ御影市内にある。

賑やかな御影市の中心部を離れ、のどかな田園風景が広がる郊外、その一角に小さな日本家屋が存在する。

それが曾祖父さんの家。

曾祖母さんには先立たれ、今では曾祖父さんと九官鳥だけがこの家の主だ。

もう歳なんだし、一緒に暮らそうと何度も持ちかけているのだが、曾祖父さん曰く気楽な方がいいとかで、今ものんびり一人暮らしだ。

昔はお年玉やら小遣い目当てでよく遊びに来ていたものの、最近はすっかりご無沙汰だった。

「曾祖父さん」

俺は玄関の引き戸を開け、大声で呼ぶ。

もう耳も遠くなっているらしく、大声じゃないとよく聞こえないらしいのだ。

…しばらくして。

「ほいほい…ちょっと待っとくれ…」

腰の曲がった白髪頭の老人が、皺だらけの顔を覗かせる。

曾祖父さんだった。

「おぉ、修内太じゃないか。久し振りじゃな。どした?小遣いでもいるか?ん?」


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