宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
強力な敵に遭遇し、己の持つ魔術では対処し切れなかった時。

そんな時には切り札が必要だ。

己以外の敵を全て葬り去れるだけの切り札が。

そこでグーセンハイム家当主が編み出したのは、ある『呪い』だった。

生命の危機に瀕すると、ある魔術が発動する。

傷ついた体を治癒し、魔力を増大させ、肉体をも変貌させ、高い攻撃力を以って目の前の敵が全滅するまで戦い続けるという呪い。

それは『狂化』の魔術を改良した呪法であった。

ある一定の状況下で発動するというのは、デッドゲイト家の『限定』の魔術に似ている。

事実、その呪いのお陰で、グーセンハイム家は幾度となく一族滅亡の危機から脱してきた。

それ故にこの呪いが効果的であると考えたグーセンハイム家当主は、その後生まれてくる全ての一族の者にその呪いがかかるように、術を施したのである。


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