宮川修内太の異常な日常Ⅱ～魔女の瞳番外編～
だが。

ここで誤算が生じる。

長い年月を経て、グーセンハイム家の人間は、少しずつ魔力を失い始めたのである。

他の家系の人間…特に魔道に関わりを持たない一般人との間に子を設けた事で、一族の血が薄まり始めたのが災いした。

何とか血と魔力を絶やさぬ為に、日本に渡って陰陽師や呪術師の子孫とも交わるなど努力はしてみたものの、時既に遅し。

時代が明治、大正と変わり、昭和になる頃には、グーセンハイム家…その頃には既に宮川家と名乗っていたが…の一族は、常人より少し多いだけの魔力しか持たない、魔道の探求からは離れざるを得ないような存在になってしまっていた。

…ほぼ魔力を枯渇させてしまった宮川家。

ここで魔術師としての宮川家の家系は途絶えてしまう筈だった。

魔力を枯渇させてしまった宮川家の人間には、狂化の魔術が発動する事もなくなり、完全に普通の人間となってしまった筈だった。

だが、ここでまたも奇縁が訪れる。

俺…宮川修内太とメグの出会いだった。

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