宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
「さっきも言ったでしょ。魔術の修練で体が睡眠を欲する事はあっても、眠りを妨げる理由にはならない筈よ。よく眠れないのは、単に修内太が運動不足なだけじゃない?」

そう言って。

メグは嫌な笑みを浮かべた。

この底意地の悪い笑顔は久し振りに見た。

「修内太、そんなに運動不足ならぁ、私が揉んであげましょうかぁ?修内太の魔力が完全に枯渇するまで、私と本気の模擬戦闘でもしてみる?死に掛けても、私が治癒してあげるから大丈夫よ?」

冗談じゃない。

メグと本気の模擬戦闘なんて、いくら魔術をかじっていても人間の体で耐えられるもんじゃない。

肉体は勿論、魂までズタズタに四散させられてしまいそうだ。

それにしても。

身を起こしながら、俺は考える。

メグの口振りだと、俺の睡眠阻害は魔術のせいではないようだ。

だったら一体なんで…。

そんな事を考えつつ、とりあえず今日からは寝る前に腕立て伏せの100回もやって、疲れ果ててから眠ってみようと心に決めるのだった。

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