宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
見たところ、俺の体には何の変化もない。

牙も、長い髪も、発達した筋肉も、全て元に戻っている。

「そりゃそうでしょ。狂戦士状態はあくまで死の危機に瀕した時だけ覚醒する。これまでと一緒よ。理性は保っていられるものの、肉体に大きな負担がかかるのも一緒。あまりアテにはしない事ね」

「……」

それでも。

俺は狂戦士状態という切り札を得た。

メグがもし危機に陥った時。

これまでのように自分の非力さに歯噛みしながら、苦しむメグを見ているだけという事はなくなる。

俺も、メグの力になれるんだ…!

「メグ…」

俺は横になったまま、メグの顔を見た。

「ありがとうな…」

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