宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
また翌日。

「ちょっと、修内太聞いてる!?」

昼休み。

教室前の廊下でメグにがなられる。

「聞いてるって…」

トロンとした眼で、俺はメグの顔を見た。

最悪だ。

眠りは足りてないわ、腕は筋肉痛だわ、おまけにそばで稀代の魔女がヒステリックにわめいている。

こんな状態でも、夜になると眠れなくなるというのは一体どういうものなのだろう。

「で…なんだって?メグ」

「もう…ちゃんと聞いてなさいよね」

人差し指をピッと立て、メグは先程と同じ説明を始めた。

「私の家の地下室に、竜の入っていた小瓶の他にもまだ幾つか『曰く付きの品』があったの覚えてる?そのうちの一つを処分したいのよ。それを修内太にも手伝ってもらいたいと思って」

「……」

とても不吉な話を聞かされた気分だ。

俺はあの地下室にはいい思い出がない。

小瓶に封じられていた竜を誤って解放してしまい、炎の息で炙られ、尾の一撃で肋骨をへし折られて死に掛けたのは、ついこの間の事のように思い出されるのだ。

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