宮川修内太の異常な日常Ⅱ~魔女の瞳番外編~
俺の表情を見て心中を察したのか。

「ああ、大丈夫よ。今回は前の竜のような魔物は封じられていないわ。修内太が脅えるほどの強力な奴じゃないから」

「へぇ」

紙パックのコーヒーを飲みながら俺は返事する。

「じゃあ何なのさ?」

「心配要らないって、ワイバーンよ」

俺がコーヒーを噴き出したのは言うまでもない。

「竜じゃん!飛竜じゃん!」

「な、違うわよ。ワイバーンは竜種の直系じゃないのよ?竜種のような伝承もないし、基本的には炎の息は吐かないし、高い知能も持ち合わせないし、前足の代わりに翼を持つ、凶暴なだけの獣じゃない」

そりゃあメグほど強ければ違うんだろうけど、俺みたいな三流呪眼使いには、炎を吐くか吐かないかなんて大した違いじゃない。

どっちも強いし、どっちも化け物だ。

そんなワイバーンの処分に、俺が何を手伝えと言うのだろう。




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