天色ガール【修正版】



「……あのさ。あたしの教室ってどこだっけ」




予鈴が鳴り、授業の存在を思い出して二人に尋ねた。



「そういやアメさん、俺のクラスの“転校生”じゃないですか!」


「ちょっと待て。行く前に頼みたいことがあるんだけど」



コウと一緒に教室に向かおうとしたのを、なぜか暁に止められた。


頼みにくいことなのか、なかなか内容を教えてくれない。



「その……、今から屋上の戸締まりを確認してきてくれねぇか?」


「今から? もうすぐ朝礼始まるし、放課後ならいいけど」



そう伝えると、暁はしばらく頭を捻って。



「……確認したら今日はもう帰っていいって条件ならどうだ」


「え、いいの!?」



“今行ってくれるなら”を何度も繰り返す暁。


それだけでもう帰っていいなら行くに決まってる!



頼みを受け入れたら、「鍵は持って帰っていーから」と銀色の少し錆びた鍵を投げつけてきた。


それもかなりのスピードで。



キッと奴を睨めば、てへっと笑顔でウインクしてくる。うぜぇ。




「……わかった。じゃ、また明日!」




屋上の鍵を握りしめて、あたしは理事長室から飛び出した。



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