天色ガール【修正版】
「あ、あ、あ……」
「あ?」
「あ、アメェェェさん!!?」
羊の鳴き声のような声を発したコウは、「え、は、来るのって今日!?」と混乱している。
学校にあたしが来ることは知っていたけど、それが今日だとは知らなかった様子だった。
……てか、そんな事よりもさ?
「あははっ! も、もう限界っ! コウのス、スーツ姿があははは!!」
「はぁ? それよりも俺、アメさんに聞きたいことが……」
「あひゃひゃひゃ!!」
「ちょっ、一旦止まってくださいって!!」
コウが手をパーにして“止まれ”のポーズをとる。が、あたしの笑い声が止む気配は一向にない。
だって、ガラの悪いヤンキーのような風貌に黒スーツだ。
もう教師じゃなくて借金取りにしか見えないってのに、ボタンは全部留めてキッチリしてるもんだから余計耐えられない。
「っ無理、止まらな、あははひゃひゃ!!」
隣から「アメのあの気持ち悪い笑い声、全然変わってねえなー」なんて失礼な声が聞こえた気がした。