最期の言霊
あの検査結果を見てから、俺はすぐに検査の予約を入れた。
検査は2週間後。
有給を取って行くことにした。
珍しく俺が有給を取ったので、伸也には「どっか行くのか?」と聞かれたが、「ちょっとなぁ〜」と曖昧に返事をした。
そして、いよいよ精密検査の日。
長い待ち時間の中、色んな検査をした。
待ち時間がまたドキドキしてしまって、血圧が上がりそうだ。
最後の検査が終わったあと診察室に呼ばれ、中に入ると、鎌田先生という先生がパソコン前の椅子に座っていた。
この先生が担当の先生なのか?と思うと同時に、険しい先生の表情に気付き、俺の不安が増した。
鎌田先生の第一声は「ご家族は?」だった。
「独身なので、家族は両親だけです。」
「では、明日ご両親のどちらでも構いませんので、一緒に来て頂けませんか?」
えっ?親と一緒に来い?って、、、
これって、よくドラマで見るやつじゃないか?
「明日ですか?両親は北海道に住んでるので、明日すぐ来るのは難しいですね、、、。」
「では、親しいお知り合いの方でも良いので、連れて来てください。大事なお話になるので、一緒に聞いてくださる方がいないと。」
"大事な話"、、、
もう病気だって言われてるようなもんじゃないか。
俺は「わかりました。」と言うと、頭の中が整理出来ていないまま自宅に帰った。