最期の言霊

俺は自宅に帰ると、真っ暗な部屋のベッドで横になり考えていた。

大事な話、、、
明日って、突然すぎるよ。
誰か一緒にって、、、誰を連れて行けば、、、

そう考える中で一番最初に思い浮かんだのは、笹森さんの顔だった。

でも、そうなると笹森さんにも仕事を休んでもらわなきゃいけなくなるし、、、
どうしよう、、、

そう思い悩んだ結果、結局俺は笹森さんに電話をかけ、事情を説明し、明日一緒に病院まで付いてきてくれないかを頼んだ。

すると、笹森さんは「いいよ。」ではなく、「わたしを選んでくれてありがとう。」と言ってくれた。

その言葉に涙が溢れ出し、俺は泣くのを我慢することが出来なかった。

「笹森さん、ありがとう、、、。」
俺は泣きながら、笹森さんにそう言った。

ずっと一人で不安を抱えていたのが、爆発したかのように俺は泣いた。

笹森さんは電話越しに俺の涙が落ち着くのを待ってくれていた。

そして、落ち着いてから病院へ行く時間の話などをし、「また明日ね。」と電話を切ったのだった。

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