最期の言霊

「あ、あのぉ、笹森さん!」

帰ろうとバッグを肩に掛ける笹森さんに、俺は声を掛けた。
笹森さんは、ふとこちらを振り向くと、「お疲れ様です。」と言い、会釈した。

「これから、時間ある?俺ら今から焼鳥屋に行くんだけど、笹森さんも一緒にどうかなって、、、あ、嫌なら無理しなくていいからね!」

俺がそう言うと、笹森さんは不思議そうな表情をして「わたしも一緒に行って良いんですか?」と言った。

そこで伸也が出てきて「良いに決まってんじゃん!俺、片岡伸也!こっちが、彼女のヒカリで、でっ、こいつが笹森さんのスーパーヒーローの植田隼人!」と一気に俺たちの紹介をした。

「スーパーヒーローって何だよ。」
「だって、さっき笹森さん助けたじゃん!」
「別に助けたって程じゃないよ。」

俺と伸也がそう言い合っていると、笹森さんはクスッと笑った。

初めて見る笹森の笑顔。
その笑顔に可愛いと、思ってしまう自分がいた。

そのあと、俺たちな笹森さんの入社歓迎会も兼ねて、4人で焼鳥屋へ向かったのだ。


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