最期の言霊

次の週の土曜日。
この日は、笹森さんと出掛ける約束をした日だ。

俺は、笹森さんを自宅まで迎えに行った。

「着いたよ!」と笹森さんにLINEをすると、俺は車の外で笹森さんが出てくるのを待った。

すると、すぐ出れるように準備して待っていてくれたのか、笹森さんは1分もしないうちに自宅から出てきて、アパートの2階から俺を見つけると、笑顔で手を振ってくれた。

俺も笹森さんに手を振り返す。

いちいち可愛い、、、

俺は笹森さんに心を奪われかけていた。
いや、もう既に奪われていると言っても過言ではないくらいだった。

「おはよう。」と駆け寄って来る笹森さんは、黄色い小花柄の白いスカートをはいて、淡い紫のカーディガンを羽織っていた。

服装まで清楚で可愛い。
この人に欠点はないのか?
俺、騙されてない?なんて不安に思ってしまうくらいだ。

俺は、「おはよう。」と挨拶を返すと、「さぁ、どうぞ。」と助手席のドアを開けた。

笹森さんは「ありがとう。」と言い微笑むと、俺の車の助手席に乗った。

女性を助手席に乗せるなんて、、、いつぶりだ?
そんなことを考えながら、助手席のドアを閉め、俺は運転席側にまわると、運転席に乗り込んだ。

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