『世界一の物語』 ~夢犬・フランソワの大冒険~
 それに反応した呂嗚流が物凄いスピードで泳いできて水中から引き上げた。
 すると軽子は水を吐き出して息を吹き返し、「フランソワ―!」と掴みかかるような声を出した。
 その鬼のような形相に怖くなって逃げ出そうとしたが、いきなり何かに掴まれて宙に浮いた。
 えっ、
 何? 
 なんなの? 
 恐る恐る見上げると、翼開長(よくかいちょう)が3メートルはあろうかと思われる大鷲の姿が目に入った。
 鷲にさらわれた? 
 東京で? 
 ウソだろ? 
 なんで?
 困惑と恐怖が広がる中、呂嗚流の声が聞こえた。
「鷲と共に去りぬ!」
 僕に向かって手を振っていた。
 
 
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