『世界一の物語』 ~夢犬・フランソワの大冒険~
何処まで行くんだ?
フランソワを掴んだ鷲は恐ろしい速度で上昇を続けていた。
しかし、それは鷲の意図とは違っていた。
ヒナが待つ高木の巣に戻りたいだけなのだ。
それなのに、猛烈な上昇気流に押し上げられ、鳥が飛べる限界高度へ達しようとしていた。
空気が薄い……、
フランソワは息苦しくなったが、それは鷲も同じようだった。
それに、鷲の爪握力が限界に達しているのは疑いようがなかった。
「ワシ、もう疲れた」
そう呟いて鷲がフランソワを離した瞬間、上昇気流はパタリと止まり、鷲が急降下していった。
当然のごとく、鷲から解き放たれたフランソワも物凄い勢いで落下していた。
このままでは地上に激突するしかなかった。
フランソワの顔が恐怖に歪んだ。
死ぬ!
そう観念した時、奇跡が起こった。
この時期にしては珍しい猛烈な偏西風に乗って運ばれてきた長方形の物に助けられたのだ。
なんだ?
その肌触りに驚いた。
これは……、
ペルシャ絨毯だった。
それも手織りの高級品だった。
なんという……、
ふかふかの絨毯に乗った快適な旅が始まった。
フランソワを掴んだ鷲は恐ろしい速度で上昇を続けていた。
しかし、それは鷲の意図とは違っていた。
ヒナが待つ高木の巣に戻りたいだけなのだ。
それなのに、猛烈な上昇気流に押し上げられ、鳥が飛べる限界高度へ達しようとしていた。
空気が薄い……、
フランソワは息苦しくなったが、それは鷲も同じようだった。
それに、鷲の爪握力が限界に達しているのは疑いようがなかった。
「ワシ、もう疲れた」
そう呟いて鷲がフランソワを離した瞬間、上昇気流はパタリと止まり、鷲が急降下していった。
当然のごとく、鷲から解き放たれたフランソワも物凄い勢いで落下していた。
このままでは地上に激突するしかなかった。
フランソワの顔が恐怖に歪んだ。
死ぬ!
そう観念した時、奇跡が起こった。
この時期にしては珍しい猛烈な偏西風に乗って運ばれてきた長方形の物に助けられたのだ。
なんだ?
その肌触りに驚いた。
これは……、
ペルシャ絨毯だった。
それも手織りの高級品だった。
なんという……、
ふかふかの絨毯に乗った快適な旅が始まった。