『世界一の物語』 ~夢犬・フランソワの大冒険~
ゴンドワナ大国は先代の他己中大王時代に大繁栄したが、長男である自己中駄王に禅譲して以来、急速に国力が落ちていた。
他己中大王が老年期になってできた初めての子供ということもあり、これ以上はないというほど甘やかせて育てたため、自己中駄王は度を超えた我儘な性格になっていた。
なんの努力もしないで他人の物を欲しがるのだ。
そして、欲しいと思ったものはどんな手段を使ってでも手に入れようとするのだ。
自分の代になって国力が落ち、国民の幸福度調査においてアトランティス大国に大差で離されるようになると、国民の不満が高まり、それが彼への批判となって退陣論が出始めた。
本来なら謙虚に自らの治世力の無さを反省すべきところだが、そんなことに気づくはずもなかった。
それどころか、国民に愛されている富裸豚覇王を妬むようになった。
うまいことやりやがって、と富裸豚の努力を見習おうともせず、彼の成し遂げた成果を単なる幸運と片づけていた。
そんな自己中だったから、横取りすることを思い付くのに時間はかからなかった。
富裸豚が死ねばアトランティスが自分のものになると思ったのだ。
それは余りにも安直な考えだったが、躊躇いもなく側近に富裸豚暗殺命令を出した。
「で、その方法はなんなの?」
玉留は捜索隊長を問い詰めた。
「それが……」
まったく聞き取れなかったのだと言う。
「う~ん、困ったわね」
玉留の顔に苦悩の色が浮かんだ。
「とにかく、その側近を徹底的にマークして。探査ロボットを彼に張り付かせて。そして、何かわかったらすぐに報告して」
他己中大王が老年期になってできた初めての子供ということもあり、これ以上はないというほど甘やかせて育てたため、自己中駄王は度を超えた我儘な性格になっていた。
なんの努力もしないで他人の物を欲しがるのだ。
そして、欲しいと思ったものはどんな手段を使ってでも手に入れようとするのだ。
自分の代になって国力が落ち、国民の幸福度調査においてアトランティス大国に大差で離されるようになると、国民の不満が高まり、それが彼への批判となって退陣論が出始めた。
本来なら謙虚に自らの治世力の無さを反省すべきところだが、そんなことに気づくはずもなかった。
それどころか、国民に愛されている富裸豚覇王を妬むようになった。
うまいことやりやがって、と富裸豚の努力を見習おうともせず、彼の成し遂げた成果を単なる幸運と片づけていた。
そんな自己中だったから、横取りすることを思い付くのに時間はかからなかった。
富裸豚が死ねばアトランティスが自分のものになると思ったのだ。
それは余りにも安直な考えだったが、躊躇いもなく側近に富裸豚暗殺命令を出した。
「で、その方法はなんなの?」
玉留は捜索隊長を問い詰めた。
「それが……」
まったく聞き取れなかったのだと言う。
「う~ん、困ったわね」
玉留の顔に苦悩の色が浮かんだ。
「とにかく、その側近を徹底的にマークして。探査ロボットを彼に張り付かせて。そして、何かわかったらすぐに報告して」