血管交換シヨ?
「美桜、この子が」
「鈴芽ちゃんでしょ?さっき挨拶したよ。ね?」
「うん…」
「そっか。スズは?もう帰んの?」
スズ、って呼んだツキくんの声に
美桜ちゃんはちょっとだけ顔をしかめた。
「あ…そうだ。友達と待ち合わせしてるの!もう行くね」
「あぁ。じゃ、また来週な」
「うん。美桜ちゃんも、バイバイ」
「ばいばーい」
あぁ。今日はしろちゃんと何をして遊ぶんだっけ。
秋の新作のクレープ食べるんだったっけ。
映画…は、観たいって言っていたやつの公開がまだもうちょっと先だったよね。
久しぶりにカラオケにでも行く?
ゲーセンのUFOキャッチャーでバカみたいにお金を遣っちゃうのも悪くないかもしれない。
ツキくんの表情を思い出さなくて済むのなら。
美桜ちゃんの声を思い出さなくて済むのなら。
「鈴芽?」
昇降口でしろちゃんを見つけて
飛び込むみたいに抱きついたスズの体を引き剥がす。
「ごめん」
「どうしたの」
息を切らしたスズの頭を
しろちゃんの手のひらが撫でた。
「ううん。待たせちゃったから。ごめん」
「そんなに待ってないよ。なんかあった?」
「ううん。平気。行こ」
しろちゃんの手を握ってグイグイと歩き出す。
何かを言おうとしてくちびるを動かしたしろちゃんは、
なんにも言わないで、訊かないでいてくれた。
「鈴芽ちゃんでしょ?さっき挨拶したよ。ね?」
「うん…」
「そっか。スズは?もう帰んの?」
スズ、って呼んだツキくんの声に
美桜ちゃんはちょっとだけ顔をしかめた。
「あ…そうだ。友達と待ち合わせしてるの!もう行くね」
「あぁ。じゃ、また来週な」
「うん。美桜ちゃんも、バイバイ」
「ばいばーい」
あぁ。今日はしろちゃんと何をして遊ぶんだっけ。
秋の新作のクレープ食べるんだったっけ。
映画…は、観たいって言っていたやつの公開がまだもうちょっと先だったよね。
久しぶりにカラオケにでも行く?
ゲーセンのUFOキャッチャーでバカみたいにお金を遣っちゃうのも悪くないかもしれない。
ツキくんの表情を思い出さなくて済むのなら。
美桜ちゃんの声を思い出さなくて済むのなら。
「鈴芽?」
昇降口でしろちゃんを見つけて
飛び込むみたいに抱きついたスズの体を引き剥がす。
「ごめん」
「どうしたの」
息を切らしたスズの頭を
しろちゃんの手のひらが撫でた。
「ううん。待たせちゃったから。ごめん」
「そんなに待ってないよ。なんかあった?」
「ううん。平気。行こ」
しろちゃんの手を握ってグイグイと歩き出す。
何かを言おうとしてくちびるを動かしたしろちゃんは、
なんにも言わないで、訊かないでいてくれた。