血管交換シヨ?
「そんな言い方…」

「事実じゃん」

「それは…結果的にはそう見えるかもしれないけど…それが目的だったわけじゃないもん」

「どっちだっていいんだよ!人の彼氏に手出して壊したのは事実でしょ!?」

「なに…何やってんの美桜ちゃん」

騒ぎを聞きつけて教室から飛び出してきた中原くんが美桜ちゃんの腕に触れた。

それを振り解いて、美桜ちゃんは中原くんを睨みつけた。

「中原、あんたもグルなの?」

「グルって?」

「うちらを別れさせる為にこの子に協力したのかった聞いてんの」

「それは…」

違うって、中原くんがはっきり言えないのは
少なからず罪悪感が胸の内にあるからだ。

元々はそう。
スズと中原くんは共犯者だったんだから。

中原くんは美桜ちゃんの気を引きたくて。
スズはツキくんに…ツキくんにスズのことを好きになってほしくて。

水族館に二人を呼び出した。

スズと中原くんの恋が叶うっていうことは
ツキくんと美桜ちゃんの平穏を壊すということだ。

スズ達は言い訳できることなんて一つも無い。
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