血管交換シヨ?
「今日ごめんな」
「…美桜ちゃんのこと?」
「うん。さっきまでちょっと話してた」
「そっか…。美桜ちゃんはなんで知ってたの」
「知ってたっていうか、俺が話したんだ」
「え?」
「昨日。新学期前にけじめつけたくて」
「けじめ?」
「俺さぁ、もう信用ないと思うけど当たり前に美桜のこと、ちゃんと好きな気持ちがあったから付き合ったんだ。でも生活の中心は小説だっただろ?」
「ん」
「日を追うごとにどんどん、どんどん小説にのめり込んでいって。正直恋愛をしてる暇なんてなかった。美桜はいい子だったよ。優しかったし、いつも気を遣わせてしまってた。美桜の気持ちを理解していながら、俺はずーっと甘え続けたんだ」
「美桜ちゃん、きっと辛かったよね…。スズに共感する資格ないけど」
「美桜のこと蔑ろにしておきながら、いざ寂しいなんて言われると夢を振りかざして、また突き放して。挙句の果てに俺に同調してくれるスズに寄りかかった。ごめん。スズにも本当に最低なことした」
「最低なんて言わないで…スズが望んだことだから」
「スズが理解してくれたことは嬉しかった。本当だよ。でもそれなら美桜にけじめをつけてからこうするべきだった。自分の弱さで人を傷つけただけなんだよ」
「スズもちゃんと美桜ちゃんに言えばよかった。ツキくんのことが好きだって。コソコソしないで真正面からぶつかって…そうすることが誠意だったんだよね。美桜ちゃん言ってたの。夏休みのこと。仲直りしたかったのかなって、友達になりたいって思ってくれたのかなって。信じた自分がバカだったって…。どれだけ謝ったってもう信じてもらえないけど反省はしてる。そんなことに意味ないのも解ってるんだけど…」
「美桜の気持ちもスズの気持ちも利用した俺が最低なんだよ。こんな奴に人の心を動かす小説なんか書けるわけないよなぁ」
「それは違う!」
「スズ?」
スズとツキくんを逃がしてはくれないみたいに、
スズ達に合わせてゆっくり、ゆっくりと紅い月がついてくる。
今夜、スズとツキくんの全部が終わってしまいそうで
スズは必死で言葉を繋いでいた。
「…美桜ちゃんのこと?」
「うん。さっきまでちょっと話してた」
「そっか…。美桜ちゃんはなんで知ってたの」
「知ってたっていうか、俺が話したんだ」
「え?」
「昨日。新学期前にけじめつけたくて」
「けじめ?」
「俺さぁ、もう信用ないと思うけど当たり前に美桜のこと、ちゃんと好きな気持ちがあったから付き合ったんだ。でも生活の中心は小説だっただろ?」
「ん」
「日を追うごとにどんどん、どんどん小説にのめり込んでいって。正直恋愛をしてる暇なんてなかった。美桜はいい子だったよ。優しかったし、いつも気を遣わせてしまってた。美桜の気持ちを理解していながら、俺はずーっと甘え続けたんだ」
「美桜ちゃん、きっと辛かったよね…。スズに共感する資格ないけど」
「美桜のこと蔑ろにしておきながら、いざ寂しいなんて言われると夢を振りかざして、また突き放して。挙句の果てに俺に同調してくれるスズに寄りかかった。ごめん。スズにも本当に最低なことした」
「最低なんて言わないで…スズが望んだことだから」
「スズが理解してくれたことは嬉しかった。本当だよ。でもそれなら美桜にけじめをつけてからこうするべきだった。自分の弱さで人を傷つけただけなんだよ」
「スズもちゃんと美桜ちゃんに言えばよかった。ツキくんのことが好きだって。コソコソしないで真正面からぶつかって…そうすることが誠意だったんだよね。美桜ちゃん言ってたの。夏休みのこと。仲直りしたかったのかなって、友達になりたいって思ってくれたのかなって。信じた自分がバカだったって…。どれだけ謝ったってもう信じてもらえないけど反省はしてる。そんなことに意味ないのも解ってるんだけど…」
「美桜の気持ちもスズの気持ちも利用した俺が最低なんだよ。こんな奴に人の心を動かす小説なんか書けるわけないよなぁ」
「それは違う!」
「スズ?」
スズとツキくんを逃がしてはくれないみたいに、
スズ達に合わせてゆっくり、ゆっくりと紅い月がついてくる。
今夜、スズとツキくんの全部が終わってしまいそうで
スズは必死で言葉を繋いでいた。