血管交換シヨ?
夏休みにスズと遊ぶことを
「楽しそう」って言われて飛び跳ねそうなくらいうれしかったのに、

照れ隠しで
「美桜ちゃんがよければだけどっ!」なんて咄嗟に言ってしまった。

言った瞬間、
すごく後悔した。

ツキくんはやさしいから
きっと「大丈夫」だって言うんだろう。

ううん。
きっと、美桜ちゃんも一緒なんじゃないのって思っているに違いない。

二人だけで遊びに行くって思い込んでいるスズのこと
キショいって思っちゃったかも…。

「別にいーんじゃない?美桜がどうしてもって言うんなら一緒に行けばいいし」

「え…っと?」

「ん?」

「予定ではスズとツキくんの二人で遊ぶってこと?」

「違うの?あ、ごめん。俺、勘違いしてた?」

「ちがくないっ!ぜんっぜん!スズも当たり前にそのつもりだったし!」

セルフ腕枕をやめたツキくんは
ググって上半身で背伸びをして、ニコッて笑った。

「じゃあまた連絡して」

「分かった」

こんなのはもう、倫理観なんて度外視だ。
くそくらえ。

…なんて。

自分がもし美桜ちゃんの立場だったら
そんなこと思えるはずがない。
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