血管交換シヨ?
「うち来る?」

「え」

「親、共働きだから誰も居ないよ。俺一人っ子だし」

「えっと」

「外だと出てきた中原達に見られるかもしれないじゃん」

「そう、だよね…じゃあ」

「行こ」

ツキくんのおうちは学校の最寄り駅から
更に二駅行った所だった。

駅からおうちまでは徒歩十分くらいで
途中のコンビニでジュースやお菓子を買った。

二人で歩いても全然気まずいことはなくて
沢山お喋りをしたのに
ツキくんのおうちに着いて冷静になってみると
交わした会話の何も、スズは覚えていなかった。

楽しく笑い合いながらも緊張していたんだって実感して、
だけど室内で二人っきりになってみると
いよいよ心臓が爆発してしまいそうだった。
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