血管交換シヨ?
「本、いっぱいあるね」
「気になる?」
「うん。シンプルに凄いなぁって。本のお城みたい。どれが一番好きなの?」
「一番好きっていうか、感情的にも影響を受けてるのはやっぱこの前あげた小説だけど。この人なんかも好き。この小説の中にはすごく俺が生きてるなぁって感じるし」
立ち上がったツキくんが手を伸ばした小説の表紙を見た。
作家さんの名前もタイトルも
初めて知るものだった。
「面白いの?」
「面白い小説っていうか、これ自体は違うんだけど。自分の中では私小説みたいな括りかな。未来の俺の」
「未来のツキくん?」
「こんな大人になったらヤバいだろーなって」
いたずらっ子みたいな顔をしてツキくんは笑った。
つられてスズも笑う。
もしも大人になった時に隣にはまだツキくんが居てくれて
その時にこの小説を憶えていたら読んでみようって思った。
もうすぐ十六歳になるスズと
未来のスズとの答え合わせ。
ツキくんから受け取った小説を本棚に戻しているスズの後ろで
ツキくんがシーリングライトを点けた。
突然視界が明るくなって
ちょっと驚いてしまった。
「気になる?」
「うん。シンプルに凄いなぁって。本のお城みたい。どれが一番好きなの?」
「一番好きっていうか、感情的にも影響を受けてるのはやっぱこの前あげた小説だけど。この人なんかも好き。この小説の中にはすごく俺が生きてるなぁって感じるし」
立ち上がったツキくんが手を伸ばした小説の表紙を見た。
作家さんの名前もタイトルも
初めて知るものだった。
「面白いの?」
「面白い小説っていうか、これ自体は違うんだけど。自分の中では私小説みたいな括りかな。未来の俺の」
「未来のツキくん?」
「こんな大人になったらヤバいだろーなって」
いたずらっ子みたいな顔をしてツキくんは笑った。
つられてスズも笑う。
もしも大人になった時に隣にはまだツキくんが居てくれて
その時にこの小説を憶えていたら読んでみようって思った。
もうすぐ十六歳になるスズと
未来のスズとの答え合わせ。
ツキくんから受け取った小説を本棚に戻しているスズの後ろで
ツキくんがシーリングライトを点けた。
突然視界が明るくなって
ちょっと驚いてしまった。