無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。
「聡太……? 友達?」

 後ろから佐吉が心配そうに声をかけてきた。
 それはそうだ。
 ついさっきまでヤバそう、と話していた相手と親しげにしてるんだから。

「……あー友達っつーか、知り合い、的な……」

 そうこうしてる間にクラスメイトのヒソヒソはさらに大きくなっていく。
 やばい。
 悪目立ちしてる。
 さっき静かに過ごそうって決めたばっかなのに。

「ナギオ。ちょっといい?」
「はい!」

 自衛隊員ばりのいい返事をしたナギオは、速足で教室を出る俺に姿勢をピンと伸ばしたままついてくる。
 そのままトイレに入ると、俺はナギオに向き合った。

「えっと……土地くれんの?」
「はい」
「いや、重いわ」

 俺はナギオに土地を突き返した。

「郵送しましょうか?」
「物理的な重さの話じゃねぇんだ」

 ナギオは俺の言ってる意味がわからないらしく目をパチパチさせている。

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