無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。
「あのね。 普通の高校生はお礼に土地をサクッとあげたりしないよ。 頑張っても飯おごるとかだよ」
「……!!」

 ナギオの背後に雷が落ちて見えた。

「余ってるので、いらなければ売ってもらえればと……」
「……」

 土地が余るほどある、と。
 なるほど。
 世間知らずのお坊ちゃんだ。

「それとそのー、どうした。その頭」

 これ以上土地について議論しても仕方ないと、もう一つの懸念事項を確認する。

「? なにか変ですか」
「変」

 俺は迷いなく大きく頷く。

「ど、どどどどどの辺が変ですか」
「全部」
「全、部……?」

 再びナギオにピシャーン!と雷が落ちて見える。

「自分でセットしたの?」
「はい……自分では結構かっこよくできたかなと」
「マジか。美的センス独特だね」
「ありがとうございます!」
「褒めてない」
「えっ」

 ナギオには悪いが、もうそのピカピカ頭、見てられない。

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