無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。
「ルミ。 なんで俺浮気したことになってんの?」


 ため息交じりに言った俺を、ルミがキッと睨み上げる。


「クラスの女の子と連絡とってた!」
「宿題のわかんないとこ聞かれて返しただけだよ。 浮気じゃない」
「浮気だよ! 絶対相手の子聡太(そうた)のこと好きだもん!」


 もうらちが明かなくてはぁ、とため息が漏れる。
 そんなこと憶測で言われても困る。
 もしかしたらそうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない。
 俺は聞かれたから答えただけで、特に無駄話もしなかった。
 当然のことをしただけなのに、こんな風に怒られなきゃいけない意味が分からない。


「とにかく私、悪くないもん。 不安にさせる聡太が悪いんだもん……っ」


 告白してきた他の男と手繋いでデートして、悪くない?


「ありえねぇだろ」


 冷たく返す俺に、ルミがとうとう泣きだした。


「ルミちゃん……っ」

 ルミに感情移入したらしいAが、涙目でルミの肩を抱いている。
 どうしたってまたため息が出る。
 
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