無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。
「なに。いいやつじゃん」
「よ、よせやい!」
「モテそう」
「あん?嫌味か?モテないやつの心を弄んで楽しいか?」

 ヘッドロックをかけられながら「ごめんごめん」と謝るも、笑ってしまう。

「また今度帰りに飯食い行こうなー」
「おー」

 手をヒラヒラして佐吉を見送る。
 佐吉が廊下に出ると、待っていた仲間たちとワイワイする声が聞こえてくる。
 今まではルミがいたから友達と遊ぶにも気を遣っていたけど、これからはそんな心配もしなくていいんだ。

 スマホに向き直ると、バイトまであと30分ほどの時刻を差していた。
 絶妙に暇。
 SNSを眺めるのにも飽きて、なんとはなしに窓の外のグラウンドを眺める。
 すると、真下に見知った姿が見えた。

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