Petit Ange


いつだって逢いたくて。


ほんとはずっとずっと心細くて淋しかった。




ママが恋しくて涙に濡れた日は、


いつもどんな時でも、ぎゅっと抱きしめて慰めてくれた。






どうしようもなく人肌が恋しくて。


一分一秒でも長く一緒にいたかった。




愛情を確かめたくてわざと困らせた日は、


太陽のような明るい笑顔で、優しく受け止めてくれた。






決してわたしを見捨てない一番の味方。





不安に押しつぶされそうになるたび、


必ず最初に手を差し伸べてくれる、誰よりも愛情深い人。





綿菓子みたいなふわふわの亜麻色の髪に、淡褐色の瞳。


大好きなママから受け継いだ目に見える家族の証。




他者とは違う容姿で同級生にからかわれた時には、


自分も同じでお揃いだと、鋭い切れ長の琥珀色の瞳に光を宿し、弱音を吐いても否定せず寄り添ってくれた。





いくつもの夜を越えて。



苦くて悲しい記憶を断ち切って。



美しく幸せな記憶に塗り替えられていった。





わたしを育てる為に、今まで多くの犠牲を払ってきたるぅくん。



自分の為ではない誰かの為に生きる人生が、いかに尊く困難なことか……。




一生かけても返しきれないほどのるぅくんの大きな愛に包まれて。



わたしは今も昔も生かされている。





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