悪事通報アプリ
急変
こう言ってはなんだけど、美羽たちのおかげで私達家族の結束は強くなっている気がする。

言葉にしなくても両親はちゃんと理解してくれている。
それがわかっただけですごく心強い。

「行ってきます!」
元気な声を残して玄関空外へ出る。
今日の空は雲ひとつ無い快晴で、胸の奥深くまで空気を吸い込んで深呼吸をした。

まだ車の通りも少ない時間だから、空気が綺麗な気がする。
私には花乃も両親もいる。

そう思うと嬉しくなって公園へ向かう足取りも自然と軽くなってくる。

少し前まではこんなに明るい気持ちで家をでることなんてなかったから、ものすごい勢いで変化していくのを感じていた。

途中の自販機でふたりぶんのジュースを購入して公園へ向かうと、花乃がスマホゲームをしながら待ってくれていた。

「おまたせ」
缶ジュースを手渡すと花乃が嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれる。

たったそれだけのことなのに幸せだと感じる。
「今日って数学の小テストだったよね?」

「え、そうだったっけ?」
私は隣に座りながら驚いて聞き返す。
「昨日の授業で言ってたじゃん。まぁ、夢奈は勉強できるから大丈夫でしょう?」

昨日の数学は6時間目にあったから、全然話を聞いていなかったんだ。
「どこが出るか教えてくれる?」
「もちろん」

花乃からテスト範囲を聞きながら私はスマホを取り出した。
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