悪事通報アプリ
☆☆☆

それがキッカケで、イジメのターゲットは私へと移動してきたのだ。
今では私が教室内の空気で、誰からも相手にされていない。

美羽たちには執拗な嫌がらせを受けているし、時にはこうして呼び出されることもある。
そんな時は花乃が必ず近くにいる。

あまりにひどいときには警察に連絡してとお願いしてあるのだ。

先生たちでは頼りにならないかもしれないし、イジメは立派な犯罪だから通報してもいいはずだと。
「大丈夫だよ花乃。泣かないで」

私よりも花乃方がよっぽど泣いていることがおかしくなって、プッと吹き出してしまった。
「どうして笑えるの?」

「だって、花乃ってば泣きすぎなんだもん」
声をあげて笑うと花乃も同じように笑い出した。

泣き笑いの顔で何度も何度も鼻をすすりあげる。
「鼻血も止まったし、一緒に帰ろうか」

私は花乃の手を握りしめて歩き出したのだった。
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