悪事通報アプリ
花乃が心から安心したように言うので、私は微笑んだ。
「ありがとう。あんなにズタズタにされたら、さすがに学校に来られなくなっちゃうもんね」

実際、雄馬がまた学校に来られるようになるかどうか怪しかった。

傷だらけになったこともそうだけれど、さすがにこの教室での出来事はトラウマになったんじゃないだろうか。

いくら筋力があっても心まで強いとは限らない。

「晴希ってサイコパスだったのかなぁ? それとも、一緒にいる友だちのせいでそうなったのかなぁ?」

途端に花乃がわざとらしく大きな声で言い出して焦った。
教室には美羽と蒼が残っているのだ。

「ちょっと花乃」
と、止めに入るけれどもう遅い。
その声は教室中に聞こえてしまった。

ふりむくと美羽と蒼がこちらを見ていて、視線がぶつかってしまった。
バチッと火花が散るような視線に慌てて前を向く。
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