悪事通報アプリ
プライドばかり高くて人を見下して楽しんでいた美羽が土下座をしている。

最初は驚いたものの、ずっと見ているとそれがひどく滑稽なものに感じられた。

あれだけ怖かった美羽が、今はこんなに情けない。
「ほんと、何様よ」

私は残っている方の手を踏みつけて、グリグリと地面に押し付けた。

美羽が痛みに震えているけれど、私が受けた痛みはこの程度のものじゃない。
もっともっと大きな傷みを、死ぬまで癒えない痛みを負わされたんだ。

「ごめんなさい……」
美羽の声が震えて涙声になった。
痛みのせいか屈辱のせいかわからないが、床に転々と涙のあとが残っていった。
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