悪事通報アプリ
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ハッとした表情で美羽が振り向いたとき、私は咄嗟にスマホを背中に隠した。
真っ青な顔の美羽が足元をふらつかせながら階段を上がってくると、そのままの勢いで床に両膝をついた。
「お、お願い誰にも言わないで!」
周辺には私たちしか生徒がいなかったためか、美羽はそんなお願いをしてきたのだ。
こんな状況にも関わらず自分の保身をしている美羽に心底軽蔑の眼差しを向ける。
「そんなことしてる暇があるの? 蒼、頭から血が出てるけど」
冷めた声で言うと美羽がゴクリと唾を飲み込んだ。
「だけど私に悪気がなかったのはわかるよね? あの子がしつこく話かけてくるから、だから!」
仕方なかったとでも言いたそうだ。
私と花乃は盛大なため息を吐き出した。
美羽という人間はほんとうにどこまでもクズみたいだ。
この女からすればどのクラスメートもただのコマであり、友達なんかじゃなかったんだろう。
そんな美羽について行ってしまった蒼も蒼でなさけない。
ハッとした表情で美羽が振り向いたとき、私は咄嗟にスマホを背中に隠した。
真っ青な顔の美羽が足元をふらつかせながら階段を上がってくると、そのままの勢いで床に両膝をついた。
「お、お願い誰にも言わないで!」
周辺には私たちしか生徒がいなかったためか、美羽はそんなお願いをしてきたのだ。
こんな状況にも関わらず自分の保身をしている美羽に心底軽蔑の眼差しを向ける。
「そんなことしてる暇があるの? 蒼、頭から血が出てるけど」
冷めた声で言うと美羽がゴクリと唾を飲み込んだ。
「だけど私に悪気がなかったのはわかるよね? あの子がしつこく話かけてくるから、だから!」
仕方なかったとでも言いたそうだ。
私と花乃は盛大なため息を吐き出した。
美羽という人間はほんとうにどこまでもクズみたいだ。
この女からすればどのクラスメートもただのコマであり、友達なんかじゃなかったんだろう。
そんな美羽について行ってしまった蒼も蒼でなさけない。