悪事通報アプリ
過去
花乃がイジメのターゲットになった理由はいたってシンプルだった。
自分より、花乃の方が成績が良かったから。

美羽は家庭教師をつけたり塾へ通ったりしていた。
それは両親から言われたことでもあり、自分自身でも将来を考えて選択したことだった。

私生活については多少ヤンチャをしていても父親がもみ消してくれる。
だけど成績については自力でどうにかするしかなかった。

先生に賄賂を渡して操作することもできたかもしれないけれど、美羽の負けん気が発揮された。

学校はつまらなかったけれど勉強は嫌いではなかったし、いい順位が撮れた時は素直に嬉しかった。

それなのに。
高校２年生に上がってから、全くマークしていなかった花乃の成績が急上昇してきたのだ。

学年トップ５以内に花乃の名前を見つけたとき、美羽は自分から花乃に話しかけた。
『どこの塾に行っているの？』

成績がいいといことは、必ずなにかしらの勉強を学校意外してしているものだと、美羽は思い込んでいた。

『ううん。塾には行っていないよ』
花乃は笑顔で答えた。
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