悪事通報アプリ
☆☆☆
今まで自分をイジメていた人間を言いなりにできる日が来るなんて思ってもいなかった。
「美羽。ジュース買ってきて」
昼休憩に入ってすぐにそう命令すると、美羽は大人しくふたり分のジュースを買って戻ってきた。
「今度は買ってきてじゃなくて万引してきてって言ってみようか」
花乃がジュースを受け取りながら楽しそうにそんなことを言うので、美羽はすぐに自分の席へ戻ってイヤホンをつけてしまった。
どれだけ逃げでも、聞こえないふりをしても無駄だ。
「ねぇ美羽ノート貸してよ」
右手を前に出して言うと美羽が嫌そうな顔を向けてきた。
だけど断らない。
そんなことできるはずがない。
美羽は渋々といった様子でノートを取り出して手渡してきたので、私はそれを乱暴に受け取った。
ためしに中を確認してみると、さすがに見やすく書かれている。
「すごいじゃん、さすが成績優秀だよね。全部カンニングだけど」
横から見ていた花乃が嫌味を投げつけても美羽はなにも言わずに耐えている。
その肩が微かに震えているから、爆発寸前かもしれなかった。
だけど私達にそんなことは関係ない。
今まで自分をイジメていた人間を言いなりにできる日が来るなんて思ってもいなかった。
「美羽。ジュース買ってきて」
昼休憩に入ってすぐにそう命令すると、美羽は大人しくふたり分のジュースを買って戻ってきた。
「今度は買ってきてじゃなくて万引してきてって言ってみようか」
花乃がジュースを受け取りながら楽しそうにそんなことを言うので、美羽はすぐに自分の席へ戻ってイヤホンをつけてしまった。
どれだけ逃げでも、聞こえないふりをしても無駄だ。
「ねぇ美羽ノート貸してよ」
右手を前に出して言うと美羽が嫌そうな顔を向けてきた。
だけど断らない。
そんなことできるはずがない。
美羽は渋々といった様子でノートを取り出して手渡してきたので、私はそれを乱暴に受け取った。
ためしに中を確認してみると、さすがに見やすく書かれている。
「すごいじゃん、さすが成績優秀だよね。全部カンニングだけど」
横から見ていた花乃が嫌味を投げつけても美羽はなにも言わずに耐えている。
その肩が微かに震えているから、爆発寸前かもしれなかった。
だけど私達にそんなことは関係ない。