悪事通報アプリ
☆☆☆
その日アプリを起動したのはアイコンに指先が触れてしまったからだった。
「あ、起動しちゃった」
いつもの公園のベンチに座ってふたりでジュースを飲みながら画面を確認すると、最近見ていなかった赤い文字が表示された。
「ついでだから確認してみたら?」
花乃も特に深い意味もなくそう言ってきたので、私は『今日の悪事』の文字をタップした。
『交通事故に遭う』
短い文章で書かれたそれにまばたきをして「なにこれ」とつぶやく。
「交通事故? なにかの間違いじゃない?」
そう言っているけれど、このアプリが本物であることはもう十分すぎるほどにわかっている。
今日、私は間違いなく交通事故に遭う運命にあるのだ。
「美羽におしつけるしかないかな」
だけどそうすればクレジットカードを奪ったことが美羽の周りの人にバレてしまうかもしれない。美羽のクレジットカードは今もまだ私の財布の中にあるのだから。
「美羽はダメ。クレジットカードを帰さなきゃいけなくなるから。別に学校にいる子を狙う必要はないよね? それなら今登校してきてない3人の中から選ぼうよ」
その日アプリを起動したのはアイコンに指先が触れてしまったからだった。
「あ、起動しちゃった」
いつもの公園のベンチに座ってふたりでジュースを飲みながら画面を確認すると、最近見ていなかった赤い文字が表示された。
「ついでだから確認してみたら?」
花乃も特に深い意味もなくそう言ってきたので、私は『今日の悪事』の文字をタップした。
『交通事故に遭う』
短い文章で書かれたそれにまばたきをして「なにこれ」とつぶやく。
「交通事故? なにかの間違いじゃない?」
そう言っているけれど、このアプリが本物であることはもう十分すぎるほどにわかっている。
今日、私は間違いなく交通事故に遭う運命にあるのだ。
「美羽におしつけるしかないかな」
だけどそうすればクレジットカードを奪ったことが美羽の周りの人にバレてしまうかもしれない。美羽のクレジットカードは今もまだ私の財布の中にあるのだから。
「美羽はダメ。クレジットカードを帰さなきゃいけなくなるから。別に学校にいる子を狙う必要はないよね? それなら今登校してきてない3人の中から選ぼうよ」