悪事通報アプリ
学校でいるときもあまり笑顔を見せなくなっていたけれど、今日くらいは楽しんでほしかった。
「花乃。今日はあいつらはいないんだから、そんなに怖い顔しないでよ」

ちょっと冗談っぽく言うと、花乃がテーブルに見を乗り出してきた。
突然のことで驚き、私は逆にソファの背もたれに自分の体を押し付ける形になった。

「夢奈。今日は話があって呼んだの」
「う、うん。なに?」

目をギラつかせて言う花乃に私の声が震える。
いつもの花乃じゃないように見えたのだ。

「これを見て」
一旦体を離した花乃は自分のスマホをテーブルの上に置いた。

画面にはなにかが表示されている。
「これなに?」

「『悪事通知アプリ』っていうものだよ。昨日見つけたの」
「『悪事通知アプリ』?」

画面を覗き込んでみると、上部に確かにそんなことが書かれている。
だけどそのページは正式なサイトではなく、みたことのないサイトだ。
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