悪事通報アプリ
「わ、私じゃないじゃん! こいつに行かせるんでしょう!?」
蒼は勢いよく立ち上がり、私を指差してくる。
それでも晴希の考えは変わらなかった。
「こいつはできねぇつってんだから、仕方ねぇだろ」
「はぁ!? それでなんで私が行かなきゃいけないわけ!?」
蒼からすればわけのわからない展開に違いない。
私に万引を練習させて、本当にほしいものを盗ってこさせる。
それが美羽の思惑なんだから。
「誰が行ったって同じだろ。美羽の機嫌を取るだめだけなんだからよ」
「それならあんたが行きなさいよ!」
蒼の声がだんだん悲鳴に近くなってくる。
私はこらえきれずにうつむいて笑ってしまった。
人には万引もできないのかと笑っていたくせに、自分が万引を強要されるとこんなにも焦っている。
その様子が滑稽で仕方ない。
「いいから、早く行け!」
晴希がまた拳を作って蒼へ向けて振り上げた。
蒼は咄嗟に両腕で顔をガードし、そして真っ青な顔で晴希を見つめた。
「……わかった。行ってくるからもう殴らないで」
他人を攻撃ばかりしてきた人間は、他人から攻撃されることに慣れていない。
だから、こんなにも弱い。
蒼は勢いよく立ち上がり、私を指差してくる。
それでも晴希の考えは変わらなかった。
「こいつはできねぇつってんだから、仕方ねぇだろ」
「はぁ!? それでなんで私が行かなきゃいけないわけ!?」
蒼からすればわけのわからない展開に違いない。
私に万引を練習させて、本当にほしいものを盗ってこさせる。
それが美羽の思惑なんだから。
「誰が行ったって同じだろ。美羽の機嫌を取るだめだけなんだからよ」
「それならあんたが行きなさいよ!」
蒼の声がだんだん悲鳴に近くなってくる。
私はこらえきれずにうつむいて笑ってしまった。
人には万引もできないのかと笑っていたくせに、自分が万引を強要されるとこんなにも焦っている。
その様子が滑稽で仕方ない。
「いいから、早く行け!」
晴希がまた拳を作って蒼へ向けて振り上げた。
蒼は咄嗟に両腕で顔をガードし、そして真っ青な顔で晴希を見つめた。
「……わかった。行ってくるからもう殴らないで」
他人を攻撃ばかりしてきた人間は、他人から攻撃されることに慣れていない。
だから、こんなにも弱い。