天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
その後も自分の車を親子が見てるのを見て、急にエンジンをかけておどかすから、やめなよと言おうとしたら、逆だった。

律は笑顔で男の子に声をかけて、運転席に乗せてあげて写真まで母親に撮らせてあげていた。

とてもスマートに。
嫌がる素振りも見せずに。

凄いと思った。
カッコいいって。

そんな律を見たらなんだか急に鼓動が早くなって、それを悟られたくなくて窓の外を見た。

いちいちカッコいいんだもんあの人。
もちろん顔も相当だけど、中身がカッコいい。

そりゃ評判も良いよね。
腹黒だなんて思って毒吐いてた自分が恥ずかしくなった。

イヤホンまでくれてさ。

私が作ったご飯も綺麗に食べてくれて、しっかりと洗って返してくれて。

襲うぞなんて言われた時は、恥ずかしくなって咄嗟に部屋に入った。
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