天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
私はバサっと起き上がる。

「クククク、シャワーにしよう」

そう言って私を担いでお風呂場に連れて行かれるとシャワーをかけられ、全部洗ってくれる。

「急いで!」

私は洗ってもらってるのにそんな事を言う。

「ははは。終わった終わった。家帰る?」

身体を拭く私に聞いてくる。

「帰る」

「おけ」

髪をタオルで巻いてメイクを始めると、ドライヤーを持ってきてタオルをそっと外して私の髪を乾かし始めた律。

その後キッチンで何かした後ピアノの椅子に座った。

そしてなんと運動会でお馴染みの、あの人を自然に急がせる曲を笑いながら弾き始めた。

「律っ!」

もう笑うしかない。

「ククっ、急げー」

「急いでるってば! はははっ!」
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