天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
幼馴染
〜律side〜

翠を送り届け、マンションにまたすぐに戻りピアノの前に座って鍵盤を弾く。

昨晩の翠を思い浮かべながら。

それにしても今朝の翠は面白かった。
すごい慌てようだった。
まぁ、俺が我慢出来なくて離さなかったのが悪いよな。

翠のあの奔放で誰にも屈しないようなそんな性格が俺にはとても魅力的に感じる。

そんな彼女が、ベッドの上では恥じらいながら俺を見つめ、必死にしがみついて甘く艶めかしい声で鳴いていた。

女に振り回されるなんてこれまでの俺ならあり得なかったが、翠に至っては全く別物だ。

一人の女性にこんなにも心を奪われるなんて思いもしなかった。

あんな魅力的な翠を前に、俺の脆い我慢なんて意味をなさなかった。

手に入れたいと思っている女にあんな挑発を受けて応えない男なんてこの世にいるか?

間違いなく抱くだろ。

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