天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「お礼なんていりませんから! ほら、乗って! それじゃお元気で! あなたの声、本当に綺麗で素敵!」

それだけ言うとドアが閉まった。
私はそのまま手を振り見送る。

彼女も会釈をしてニコッと微笑んで手を振ってくれて、バスも発車した。

よし。
私も行かないと!

その後用事も予定通り済んで、今日はこのまま帰れる事になった。

律にもらったイヤホンでピアノの演奏を聴きながら鼻歌を歌いそうになりながら帰宅する。

今日のあの人、めちゃくちゃ美人だったな。
モデルさんみたいだったし。
可愛い感じの。

明るめの髪色でふんわりとした雰囲気で、とにかく声が綺麗だった。

着ている服も女性らしい明るめの色合いで私とは真逆の感じがまた魅力的に見えた。

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