天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
律からは、申し訳ないけどあまり連絡は取れないと断りを入れられている。

そりゃそうだ。
集中しないといけないし、時差もあるし。

だから私がここに来ていることも言ってない。

そして私はそもそも携帯を持ってきていない。

このすっとこどっこいめ! 翠!

まず、観光でもするか!
せっかくの正月休みだし。

ないものはない。仕方ない。

こういう時、自分が楽観的な性格で良かったと思う。

ママに似たんでね。
性格も顔も。

丈慈にもさんざん言われるし。
お前を操作できる男なんてそうそういないぞって。

何だと思ってるわけ!?

全くもう!!

え…でも、だから?
こんなだから律は付き合ってくれないの?

抱いてくれないのも、あ、合わなかった?
私はあの時衝撃的だったんだけど…

わ、私だけか!?

あ、あり得る。

男女逆の話だけど、前のあの将生だって、向こうはどうやらお気に召していたけど私はさっぱりよくなかった。

そ、そういう事!?
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