天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい


「それじゃ、送りたい写真を選びましょうか」

そう言って今度はアルバムを開く。

「これと、これにしようかな」

そして選択する。

「メッセージはなんて入れますか?」

「そうだな。元気出してにしようか」

私は言われた通りにメッセージを入れる。

「お孫さんどうかされたんですか?」

「いやね、本当は年越しでこっちに来るはずだったんだけど、熱を出してしまって来れなくなったんだよ。ここにも一緒にくる約束をしていたから、写真だけでもと思ってね」

「そうだったの…。それは残念でしたね。でもきっとこれを送ったらミッシェルの熱も下がりますよ!」

「ははは! だといいな。な、メアリ」

「ふふふ。そうね。本当に。お姉さんお名前は?」

「あ、ごめんなさい。名前も名乗らずに。翠って言います」

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