天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
そしておすすめだという料理が運ばれてきた。

「美味しそう!」

ついそんな事を言ってしまう。
沈んだ心も急上昇だ。
単純よね私って。

でも昨日食べたやつは正直私の口には合わなかった。
これは海外あるある。
だから余計にヨダレが出そうになる。

「ふふふ。温かいうちに召し上がれ」

そう言って真弓さんはニコッと笑った。
可愛いな。

そして一口食べてみる。

「美味しい!」

ビーフシチューに似た感じだ。
そういえば律もビーフシチュー作ってたな…。
ここで真弓さんと一緒にこの料理を食べたりしていたのだろうか。

私の気分は上がったり下がったり大忙しだ。

「翠!」

その時名前を呼ばれ振り返ると慌てて駆けつけたかのような表情をした律がいた。

「んえ!?」

「ふふふ。私が呼んだの」

へ?
真弓さんが?
なんで?

「真弓、助かった。それじゃ」

え?

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