天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
私はその足でslowに向かう。

「ビール」

私はカウンターに座りそれだけ奏翔に告げる。

「おお。今日はご機嫌斜めか」

なんて言って笑ってる奏翔を無視して窓の外を見る。

それにしても腹立つわー。
なんなの?

そして私は鶴宮 律を携帯で検索する。

いやいや評判良すぎ。

それはどの記事も褒め称えるものばかりだった。

違う違う。
本当の彼はこんな風に笑いませんよ?

これは表向きの顔ですよ?

腹黒ヤローよ?

確かに演奏は素晴らしかった。
文句の付けようがないくらいに。

でも中身あれよ?

スーツ捨てとけ?
何よ!
人をバイ菌を見るみたいな顔で見下ろして!

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