天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
そこへすかさず腰を沈めればそれだけで翠はまたイッた。

「おかしくっ…なっちゃう…」

「それだけいいって事?」

翠はコクコクと頷く。

「俺もだよ。気を抜けばすぐに持っていかれそうだ…」

「律も…いいの?」

「ああ」

普段はあんなに威勢がいいのに、こういう時はしおらしくなる翠がたまらなく愛おしくなる。

鼻先をくっつけて微笑むと、翠も微笑み返してくれる。

「そろそろ…クッ」

限界だ。

キスを交わしてからそっと俺は身体を起こし、脚を持ち上げ腰を浮かせて一気に律動を加速させると翠が甘い声をリズムに合わせるように出す。

「イくぞっ…」

「あっ…律っ」

「翠、愛してる」

ガンと奥深く貫いた瞬間二人同時に絶頂を迎えた。
ブルっと全身が震えるように鳥肌が立ち翠の上に倒れ込む。

そして俺にしがみついたまま肩を揺らし息を切らせる翠。

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