天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい
「素敵すぎるよ…」

「良かった。普段あまりどこにも連れて行けないし。翠、俺に気遣って顔も隠してるし。ここならのびのびゆっくりできるだろ?」

そんな…。
全然いいのに…

私は思わず律に飛びつく。

「はは。翠、いつもありがとうな」

律は飛びついた私を抱っこしてオデコにキスを落とした。

私も顔を上げると、今度は唇にキスが振ってきて自然と深くなる口付け。

本当にこの世界に二人きりになったようなそんな錯覚に陥る。

そのままベッドルームへ運ばれて開放的なテラスからターコイズブルーの海を一望できるそんな部屋で、リネンが垂らされた天蓋付きのベッドでさっそく愛を注がれる。

「んっ…はぁっ!」

「翠っ…」

「律っ…あっ」

もう何度目かわからないほど絶頂へといざなわれる。

律の吐息混じりの声を耳元で感じると、それだけで身震いしてしまう。



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